社会インフラとして
地域活性化に貢献
株主のみなさまには、
日頃より格別のご支援を賜り厚くお礼申しあげます。
ここに、当社の第46期の業績についてご報告申しあげます。
経営環境について
当事業年度におけるわが国経済は、コロナによる行動制限が緩和から解除へと進み、社会経済活動が正常化する中、個人消費や設備投資などの内需は幅広い分野で緩やかに回復してきました。一方で、為替相場の円安、原材料価格の高騰、物価上昇による消費マインドの冷え込み懸念など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
取組み・業績について
当社は将来への成長を確固たるものとするために2024年2月期からの3年間を対象とした中期経営計画「Hiday500」を策定して、6つの重点施策を実施してきました。
❶ 店舗戦略
新規出店は18店舗、退店が9店舗となりましたので、2月末の直営店舗数は449店舗となりました。既存店の改装・リニューアルも23店舗で実施しています。業態別店舗数は、「日高屋」(来来軒含む)が418店舗、「焼鳥日高」(大衆酒場日高含む)が26店舗、その他業態が5店舗となりました。新規出店した18店舗のうち、ロードサイド店が9店舗を占めており、新規出店の立地や商圏が多様化しています。
❷ 採用の強化・人財育成
2024年春の新卒採用は106人、2024年2月期の中途採用は105人となり、ともに過去最高を記録しています。2023年4月には5%弱のベースアップを実施、新卒初任給15千円引き上げ、2024年2月に正社員等への成長分配金を支給するなどの処遇改善も取り組みました。
❸ DX推進戦略
店舗業務の効率化、キャッシュレス決済の処理能力向上を企図して、新POSシステムへの切り替えを進めており、日高屋業態では255店舗、焼鳥業態では20店舗でそれぞれ導入しました。2024年4月には全店舗での切り替えが完了しました。
❹ 事業拡大・新商品開発・販路戦略
2024年2月に新業態「らーめん日高 エキア川越店」を出店しました。女性のお客様を意識して店内を明るい雰囲気にし、日高屋とは異なるニーズを獲得できる業態として確立を目指していきます。商品面では、創業50周年を記念したメニューを投入しました。2023年3月に特別メニュー「日高ちゃんぽん」、復刻メニューとして4月に「担担麺」、10月に「温玉旨辛ラーメン」を提供して大きな支持を集めました。
❺ ブランディングの強化
テレビCM、SNS、動画サイト、ホームページなど、多様なコンテンツを活用して、お客様に楽しい食事を想起していただけるよう活動しております。創業50周年記念動画「50年の歩み」は、50年間の歴史を振り返り、感謝の気持ちと未来に向けたメッセージを伝えています。ブランド認知度のさらなる向上、イメージアップは採用活動にも好影響を及ぼしています。
❻ サステナビリティの取組み推進
環境面の計画として、温室効果ガスの排出量(Scope1、2)は2018年を基準年として2030年度に30%削減する目標を掲げています。Scope3の算定にも取り組み、サプライチェーン全体での排出量を把握します。今後は2050年に向けた長期的な排出量削減目標についても策定してまいります。
上記施策の推進に加えて、2023年3月に実施した価格改定後もご来店客数が伸長してご利用単価も上昇したこと、コロナ禍で短縮した営業時間の延長に取り組んだことなどが奏功し、通期累計の売上高は487億72百万円(前期比27.8%増)となりました。12月度の売上高は単月として過去最高額となり、各月の売上高も12ヶ月連続で同月比過去最高額を記録し、通期としても過去最高額となりました。
この結果、利益面では、営業利益は46億37百万円(前期比653.2%増)、経常利益は47億56百万円(前期比92.5%増)、当期純利益は32億33百万円(前期比112.8%増)となりました。
今後の展開について
当社は経営環境の変化に柔軟に対応するため、中期経営計画をローリング方式にて見直し、「Hiday500 ローリングプラン2024」を策定いたしました。6つの重点施策を継続するとともに、成長戦略として「海外マーケット進出、アライアンス・M&Aによるシェアアップ」を新しい施策として追加いたします。
当社を取り巻く環境は、原材料価格の高騰、人財獲得競争激化に伴う賃金上昇、物流費や消耗品費などの各種コストの増加が続いております。このような厳しい状況の中、店舗運営においては各種コストの削減に鋭意取り組んでまいりましたが、やむを得ず価格改定を実施させていただく予定です。今後もおいしい料理を提供するとともにサービス向上に取り組んでまいります。
2024年5月
代表取締役会長 神田 正
代表取締役社長 青野 敬成